クラトニア評議会物語part6

『カフェチャレブリ』
 ルブーフコート市内は、古い町並みが残っている。
カフェチャレブリはルブーフコートの中心部にある通りの一つ、ジェラルド通りにある。
私は約束の1時間前に、ここに着いていた。
通りの両端には、隙間なく建物が並び、昼の4時ごろなのに通り全体が日陰となっていた。
多くの店があった。主にカフェや服飾の店や果物屋であった。フルーツやコーヒーの香りが漂い、気分を良くしてくれた。
石畳のこの通りに、人がごった返していた。住民と観光客が半々というところだ。
その中でみすぼらしい服を着た男が、立派な、いかにも年代物のアコーディオンのような楽器で、ムードの良い曲を奏でていた。
カフェチェレブリは、見つけることが難しくなかった。数百年の歴史があり、知る人ぞ知るカフェだ。あまり派手ではないものの、
他の店とは違う、重みのような雰囲気を醸し出していた。私はカフェチェレブリの中へと入った。
 中はコーヒー豆の程好い香りでいっぱいだった。
席はほとんどうまっており、静かに本を読む者から、店中に響き渡るほど大きな声でしゃべる者までいた。
私はボーイにカ・フェ・オレとサンドウィッチを注文した。
 私がサンドウィッチを食べ終え、2杯目のカ・フェ・オレを注いでもらった時,彼がやってきた。